ネパール人財側のビザ申請要件

ネパール人財が特定技能ビザで申請できる条件

フロンティア先生
フロンティア
先生

人財を受け入れたい企業は日本側の知識を深めることに偏りがちです。この機会に是非ネパール人財が現地から特定技能ビザで日本を目指す場合の条件も知って頂ければと思います。

現地でネパール人財が受験できる試験について

 ネパールでは2019年4月よりJFT-BASICによる「日本語能力試験」と「介護種試験」に加え、2021年2月より「外食種試験」、2021年9月より「農業種試験(耕種及び畜産種)」が開催されています。
 ですから、2021年12月現在ネパールから受け入れられる人財は上記3種類の職種となります。
 以下ではそれらについて詳しく見て行きましょう。

日本語能力試験について

 外国人財が特定技能ビザで日本へビザ申請をする場合、自身の日本語能力を証明するため入国管理局に定められた下記日本語検定のいずれかに合格することが必要です。

国際交流基金が主催する日本語能力試験(通称:JLPT) N4級以上
または
国際交流基金が主催するJFT-BASIC試験(通称:JFT) A2レベル以上

※(介護種のみ「介護の日本語」の受験と合格が別途必要となります。)

 ①番のJLPT試験は1984年より開始され40年近い歴史があります。レベル分けとしてはN5レベルからN1レベルまであり、N1に近づくほど日本語能力が高くなります。


 ②番のJJFT-BASIC試験は特定技能ビザが制定された2019年より日本政府から試験の実施を委託されたアメリカのプロメトリック社が行う新たな試験です。
 このテストは、コンピューター・ベースト・テスティング(CBT: Computer Based Testing)方式により行われ、各国のテスト会場でコンピューターを使用して出題、解答します。ブースで、コンピューターの画面に表示される問題やヘッドフォンに流れる音声をもとに、画面上で解答します。現地ネパールでも毎月10回程度の試験が開催されておりますが、2021年12月現在も受験に必要となるバウチャーチケット(受験料を事前に支払いチケット化すること)で問題となっていなる状況です。毎回指定された販売開始時刻から数十秒で売り切れとなり、多くの受験希望者がバウチャーチケットを購入できないケースがあり課題の残る試験となっています。



JFT-BASIC試験のレベルについては下記の通りです。

  ☝A1レベルから始まりC2レベルに進むにつれ試験難易度が上昇する形となります。
特定技能ビザで必要なA2レベルに隣接するレベルと比較すると、以下の図のようになります。

レベル レベルの目安
B1
  • 仕事、学校、娯楽で普段出合うような身近な話題について、標準的な話し方であれば主要点を理解できる。
  • その言葉が話されている地域を旅行しているときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。
  • 身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で結びつけられた、脈絡のあるテクストを作ることができる。経験、出来事、夢、希望、野心を説明し、意見や計画の理由、説明を短く述べることができる。
A2
  • ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。
  • 簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。
  • 自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。
A1
  • 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常表現と基本的な言い回しは理解し、用いることもできる。
  • 自分や他人を紹介することができ、どこに住んでいるか、誰と知り合いか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりできる。
  • もし相手がゆっくり、はっきりと話して、助け船を出してくれるなら簡単なやり取りをすることができる。


 いずれの試験にも「言語知識(文字・語彙・文法)」、「読解」、「聴解」3種類の試験内容が含まれます。
 但しよく勘違いされやすいのは

日本語能力試験高レベル合格者=会話力がある=×(間違い)

 

 と言う事です。上記試験内容にある通り、日本語会話については試験内容に含まれれていません。
試験高レベル合格者は日本語力があることには変わりませんが会話力については、面談等を直接行い人財を別途個別に確認することが必要でしょう。

各種技能試験について

日本語能力試験に加え、人財が希望する「職種毎の技能試験」に合格することも必要となります。
基本的に日本では特定技能ビザに該当する14業種の試験が開催されていますが、2021年12月現在ネパール現地では

①介護種 (実施主体:厚生労働省)
②農業種の耕種・畜産種(実施主体:一般社団法人全国農業会議所
③外食種(実施主体:一般社団法人外国人食品産業技能評価機構

の3種類の試験が開催されています。ですからネパールより人財を受け入れる場合、現段階では上記3業種の受け入れが可能となります。
また各試験に対する教科書も、ネット上で検索するとダウンロードできるものがあります。
(例)農業試験 教本 ダウンロードページ

まとめ

ネパール側でも日本での就労希望者は日本語の試験、技能の試験等様々な条件をクリアし企業面接・ビザ申請へと進むことが分かりました。
人財を受け入れる面接をする場合、最低でも上記試験に合格した合格証の確認はしておきたいものですね。